前田恵理子: 第一線の放射線科医で患者である私の当事者研究

東大病院の放射線科医として循環器画像診断や医療被ばくを専門としています。患者と中高時代以来の超重症喘息と闘いながら受験やキャリア形成、結婚・妊娠・出産を乗り越えてきました。2015年以降肺癌(腺癌→小細胞癌への形質転換)を6回の再発、4回の手術(胸腔鏡3回、開頭1回)、3回の化学療法、2回の放射線治療、肺のラジオ波焼灼、分子標的薬治療により克服しました。脳転移と放射線壊死による半盲、失読、失語も日々の工夫で乗り越えています。医師・当事者としての正確な発信が医学の進歩に帰することを願っています。

肺RFA体験記 part4:術後経過と画像所見

2021年1月4日に、大阪の都島放射線科クリニックにて、肺内再発3か所に対してCTガイド下経皮的ラジオ波焼灼術(Radiofrequency Ablation;RFA)による治療を受けてきました。part 1では、自由診療である肺RFAを選択した背景について、 erikospassion.hatenabl…

肺RFA体験記 part5:気胸の合併症とソラシックベンド体験記

2021年1月4日に、大阪の都島放射線科クリニックにて、肺内再発3か所に対してCTガイド下経皮的ラジオ波焼灼術(Radiofrequency Ablation;RFA)による治療を受けてきました。part 1では、自由診療である肺RFAを選択した背景について、 erikospassion.hatenabl…

ラジエーションハウスScan87に登場しています

放射線科お仕事マンガとして、フジテレビのテレビドラマ「ラジエーションハウス:放射線科の診断レポート」の原作が、グランドジャンプに掲載されています。3月3日から、Scan 87(第87話)「希望の折り鶴」の連載が始まりました。小児CT被ばくがメインテーマ…

WHO小児被ばくイベントに参加しました

WHOの教育機関であるGeniva Foundatioは、″WHO Scholar Level 1 course on radiation risk communication to improve benefit-risk dialogue in paediatric imaging″というインターネット上のコースシリーズを開講します。3月末ー5月末まで全13回、6時間x週…

肺RFA体験記 part3:穿刺と実際の肺RFA治療

2021年1月4日に、大阪の都島放射線科クリニックにて、肺内再発3か所に対してCTガイド下経皮的ラジオ波焼灼術(Radiofrequency Ablation;RFA)による治療を受けてきました。part 1では、自由診療である肺RFAを選択した背景について、 Part 2は、治療を行って…

肺RFA体験記 part2:アクセスと画像診断

2021年1月4日に、大阪の都島放射線科クリニックにて、肺内再発3か所に対してCTガイド下経皮的ラジオ波焼灼術(Radiofrequency Ablation;RFA)による治療を受けてきました。part 1では、自由診療である肺RFAを選択した背景について詳しく説明しました。 erik…

オリゴメタの治療戦略

オリゴメタとは、少数(オリゴ)転移(メタ)を意味する用語です。局所治療がどのくらいよく効くかは癌の種類によってかなり異なりますが、我々の世界では肝転移や肺転移がある大腸癌の患者さんで、手術やRFAを積極的に行い続けることで、いつの間にか癌が出…

肺RFA体験記 part1:適応

はじめに 2021年1月4日に、大阪の都島放射線科クリニックにて、肺内再発3か所に対してCTガイド下経皮的ラジオ波焼灼術(Radiofrequency Ablation;RFA)による治療を受けてきました。肝腫瘍に対しては熱で治療するRFAが、小さな腎癌に対しては凍結して治療す…

当事者研究の開始について

もともとPassion 受難を情熱に変えて(医学と看護社)の原稿執筆のために立ち上げたこのブログ。Passionの出版後は方向性が定まっていませんでしたが、このたび、本サイトは第一線で活躍する放射線科&患者として、正確な情報と言葉に基づいて当事者経験を発…

誰も取り残さない気象情報発信

本業は医者と大学教員のはずですが、Facebookでの気象情報発信から、為政者の方、自治体の防災担当者、気象ヲタ仲間などいろいろな方と知り合い、それがきっかけで、様々場を与えていただいています。 2020年10月28日には、参議院議員会館で行われた、第48回…

患者から見た診療放射線技師

縁あって、東京電子専門学校の非常勤講師として、診療放射線技師の卵ちゃんたとである2年生に対して、画像診断学の授業をしています。東大の大学生・大学院生も若いですが、専門学校の2年生はもっと若い。ピチピチの駒場生と同じ歳ですからね!40過ぎたおば…

低線量小児心臓CTの取り組みが日本経済新聞に紹介されました

私の本業である小児CTの被曝低減の記事が、2020年9月21日(月)の日本経済新聞朝刊にて、7段組みの大きな記事で特集されました。私も、小児心臓CTの被曝適正化に関するインタビューを受けています。 style.nikkei.com 本業の取り組みが日本経済新聞に紹介さ…

Yahoo!ニュースに掲載されました。

桐蔭の同級生の小酒部さやかさんが、Yahooニュースで私のことを紹介してくれました。 【仕事×育児×病気の両立。5回のがん再発と闘いながら、東大病院の放射線科医を務める女性の生きる力】 https://news.yahoo.co.jp/byline/osakabesayaka/20200830-00195669…

第11章 ④ 小児心臓CTアライアンス

放射線医学の世界では、肝臓・胆嚢・膵臓を中心とする腹部や脳神経がいわゆる「花形」である。私見だが、次に来る花形が呼吸器や生殖器や運動器であり、循環器や小児を専門にしようとする人はマイナー、あるいはちょっと変わり者とみなされているかもしれな…

第11章 ③ 気象予報士試験

「資格勉強をしてみよう」 気象庁等が発表した情報をSNSで伝えるだけなら、気象予報士の資格はいらない。気象予報士の話題になると大抵、二言目には「テレビのお天気おねえさんのことでしょ?」と言われるのだが、テレビの天気予報も、気象庁や気象会社発表…

第11章 ② 自然の脅威

その頃、日本のはるか南のマーシャル諸島付近では、怪しい渦は次第にまとまりを増して西に向かっていた。衛星写真を見ると、赤道のすぐ北には、もくもくとした雲が東西に並んでいる。衛星写真を毎日見ていると、その中でどれが台風になりそうなのか、わかる…

第11章 ① 八王子の山の中で

※第10章まではPassion 受難を情熱に変えて part 1 &2 (医学と看護社)をご覧ください。 中央道から高井戸インター、永福料金所を経て首都高速4号線に入ると、新宿の高層ビル街やドコモタワーが目の前で大都会を主張するようになる。まもなく中央環状線に入…

プロフィール

※これまでの論文、講演やメディア掲載情報は下記にまとめてあります。 業績まとめ https://researchmap.jp/erikospassion 執筆論文紹介 https://erikospassion.hatenablog.com/entry/2019/09/30/002955 講演紹介 https://erikospassion.hatenablog.com/entry…

メディア掲載情報まとめ

半生記「Passion 受難を情熱に変えて」の出版以来、様々なメディアに取り上げていただきました。備忘録を兼ねて、こちらにまとめておきます。 <本業関係> 新聞記事 〇日本経済新聞 2020年9月21日(月)付 朝刊13面 小児の放射線被曝を防ぐ 医療検査は低線…

日経新聞に連載を書いています

すでにご覧になってくださった方も多く、大変多くの反響をいただいていますが、1月、2月に日経新聞月曜朝刊の医療・健康面に「向き合う」という連載を書いています。 ① 肺がん、4度の再発越えて https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54224230Z00C20A1TCC00…

ラジオNIKKEIに出演します

短いお知らせです。12月6日(金) 11:00-12:30ラジオNIKKEIの「大人のラヂオ」という番組のキャンサーペアレンツのコーナーに出演します。放送から1週間はradikoのHPで聴くことができます。 radikoのHPはこちらhttp://radiko.jp/#!/live/RN1 どうぞよろしく…

Part 2が出版されました。

Passion受難を情熱に変えて part 2(医学と看護社)が出版されました。 Amazonでも即日配送始まっています。 大部分がかつてこのブログに掲載していた内容ですが、書籍化にあたり加筆、修正したので、整合性を保つためにブログに載せていた原稿は2019年10月…

産経新聞に掲載されました

産経新聞社に私の波乱万丈な人生が掲載されました。 2019年10月26日夜にWeb版が公開され、https://www.sankei.com/life/news/191026/lif1910260026-n1.html2019年10月27日朝刊社会面に記事が掲載されました。 多岐にわたる内容を、文章にまとめてくださった…

【随時更新】講演紹介:これまで&これから(21.01.16update!)

私がこれから行う講演とこれまでの講演履歴をご紹介いたします。 放射線領域でご依頼が多いのは、何といっても「被曝関係」「(特に小児)心臓CT」「英語論文の書き方」です。変わったところでは、検診部門での知見を活かした「よく見かける所見だけど病的意…

【随時更新】執筆論文紹介(21.1.19update!)

(59) Forward-projected Model-based Iterative Reconstruction SoluTion in Temporal Bone Computed Tomography: A Comparison Study of All Reconstruction Modes.Ryo Kurokawa, Akifumi Hagiwara, Moto Nakaya, Eriko Maeda, Haruomi Yamaguchi, Wataru G…

書籍化のお知らせ&近況報告

私はFacebookで発信することが多いのですが、このブログだけを見てくださっている方は、あまり更新しないと生存確認ができなくて不安、と言われるので、近況報告をします。 1、ブログの書籍化 ご存知の方も多いと思いますが、このブログが書籍化されていま…