前田恵理子: 第一線の放射線科医で患者である私の当事者研究

東大病院の放射線科医として循環器画像診断や医療被ばくを専門としています。患者と中高時代以来の超重症喘息と闘いながら受験やキャリア形成、結婚・妊娠・出産を乗り越えてきました。2015年以降肺癌(腺癌→小細胞癌への形質転換)を6回の再発、4回の手術(胸腔鏡3回、開頭1回)、3回の化学療法、2回の放射線治療、肺のラジオ波焼灼、分子標的薬治療により克服しました。脳転移と放射線壊死による半盲、失読、失語も日々の工夫で乗り越えています。医師・当事者としての正確な発信が医学の進歩に帰することを願っています。

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

第11章 ④ 小児心臓CTアライアンス

放射線医学の世界では、肝臓・胆嚢・膵臓を中心とする腹部や脳神経がいわゆる「花形」である。私見だが、次に来る花形が呼吸器や生殖器や運動器であり、循環器や小児を専門にしようとする人はマイナー、あるいはちょっと変わり者とみなされているかもしれな…

第11章 ③ 気象予報士試験

「資格勉強をしてみよう」 気象庁等が発表した情報をSNSで伝えるだけなら、気象予報士の資格はいらない。気象予報士の話題になると大抵、二言目には「テレビのお天気おねえさんのことでしょ?」と言われるのだが、テレビの天気予報も、気象庁や気象会社発表…

第11章 ② 自然の脅威

その頃、日本のはるか南のマーシャル諸島付近では、怪しい渦は次第にまとまりを増して西に向かっていた。衛星写真を見ると、赤道のすぐ北には、もくもくとした雲が東西に並んでいる。衛星写真を毎日見ていると、その中でどれが台風になりそうなのか、わかる…