前田恵理子: 第一線の放射線科医で患者である私の当事者研究

東大病院の放射線科医として循環器画像診断や医療被ばくを専門としています。患者と中高時代以来の超重症喘息と闘いながら受験やキャリア形成、結婚・妊娠・出産を乗り越えてきました。2015年以降肺癌(腺癌→小細胞癌への形質転換)を6回の再発、4回の手術(胸腔鏡3回、開頭1回)、3回の化学療法、2回の放射線治療、肺のラジオ波焼灼、分子標的薬治療により克服しました。脳転移と放射線壊死による半盲、失読、失語も日々の工夫で乗り越えています。医師・当事者としての正確な発信が医学の進歩に帰することを願っています。

Yahoo!ニュースに掲載されました。

 桐蔭の同級生の小酒部さやかさんが、Yahooニュースで私のことを紹介してくれました。

【仕事×育児×病気の両立。5回のがん再発と闘いながら、東大病院の放射線科医を務める女性の生きる力】

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200829Yahooニュース記事

 小酒部さんは、女性や様々な働き方をしている方の就労問題について少し調べれば、必ず彼女の記事を読むことになる、大変著名な方です。私は「医局唯一の子持ち女性東大常勤職員」として、女性医局員支援のための情報収集に日経dualというメディアを読み始めた頃に、彼女のことを知りました。後に昔の担任の先生から、うちの期で一番活躍している人だよと教えてもらい、桐蔭の同級生であることを知ったのです。
 
 小酒部さんは、現在株式会社natural rights代表を務める傍ら、Yahooニュースのオーサー等の形で精力的な発信活動を行っています。私が日経dualで彼女を知った頃は、彼女は当時在籍していた会社でマタニティーハラスメントに遭っていました。日本では多くの女性達が同じ問題に泣き寝入りする中、勇気ある告発、そしてを外国特派員協会での会見行い、マタハラという言葉が世に広まるきっかけになりました。
 その後、彼女は自分の経験をベースに幅広い社会活動を行っており、日本の職場ではどうしても未だに弱者となりやすい女性の就労に冠する啓発・政策提言・コンサルティングなどの活動をしています。最近彼女の慈愛の目は、ロストジェネレーションといわれる同世代に多い非正規雇用フリーランスなど不安定な形で働く人々(本人がそれを望んでいることもありますが、そうとは限りません)全体に向けられています。
 2015年には日本人として初めて、米国国務省(!!)より「国際勇気ある女性賞」を授与され、ACCJウィメンズ・イン・ビジネス・サミットに安倍首相やケネディー大使とともに出席しています。本当にすごい人です。
私にとっては、彼女と知り合うまであまりに無頓着だった、自分の業界における女性のキャリア問題に開眼するきっかけを与え、視野を広げてくれた恩人です。

そんな彼女にこのような立派な記事を書いて頂くのは本当に光栄なことです。最近では彼女は横浜市青葉区の市議に立候補するなど、政治活動にも力を入れています(個人的には是非国政でがんばってほしい!)。
是非彼女の輝かしいプロフィールも読んでみてください。